ブログ担当 マイスター★高谷
はたして障子に目はあるのか?
「壁に耳あり 障子に目あり」
ことわざの中でもメジャーな方で、なおかつ、皆さん実際に手痛い経験もありがちなやつですよね。
越後屋でなくても、家政婦を雇ってなくても、気をつけましょう、他人に聞かれてまずい話は。
ただ最近は、動画の流出とかで炎上するのがトレンドですかね。
弁解のしようが無いので、怖いですね〜
さて、本題です。
壁に耳があるのか、障子に目があるのか、それは私は見たことが無いので知りませんが、
ただ、「紙」には「目」があるんですよ。
そう、前回に引き続き「紙」のお話です。
紙の「目」とは
紙の目は「流れ目」とも言いまして、紙の原料である植物繊維が一定方向に並ぶために出来ます。
ドロドロに溶かした植物繊維を、薄く延ばした後、乾燥させて洋紙を作りますが、
巨大なトイレットペーパーを逆再生するように、延々と作りながら巻き上げて行きます。
その流れ方向に沿って、繊維が並んで紙の目は出来るというわけです。(図①)
【参考】大王製紙工場見学動画 徳島新聞動画
https://youtu.be/oLAh_cGSghI
見えないけれどもあるんだよ
目にも見えない微細な繊維の流れ目ですが、これがなかなか重要で、物を作るにあたって無視出来ない影響があります。
図②のように、紙を折る場合、流れ目に沿った折り目はスッキリきれいですが、(B)
流れ目とクロスするように折ると、折り目はボコボコして、折った状態も落ち着きません。(A)
また、流れ目方向にやや突っ張り感があるので、(A)の状態で本やパンフレットになると、
ページめくりがしづらいものになります。
A4サイズの印刷物でも、冊子のようなものであれば(B)のような流れ目の用紙、
3つ折りにして封筒に入れるようなリーフレットであれば(C)のような流れ目の用紙を選びます。
用途を考えて、適切な流れ目の用紙を使わないと、使いづらい出来上がりになってしまうのです。
「見えないけれどもあるんだよ」と、金子みすゞさんが謡ったように、
時として見えないものこそ、疎かにしてはいけない場合があります。
まさに、「紙の目」がそうなのです!
用紙の目を簡単に確認するには、紙を裂いてみると分かります。
図③のように、目に沿って裂くときれいに裂けます。
一度試してみて下さい。
さて、話は戻ります。
はたして、障子に目はあるのか?
残念ながら、障子には目はありません。
今日の説明は「洋紙」ついてのお話で、「和紙」は作り方が違うため、目は無いのです。
少し、安心しましたか?
以上、コンシェルジュ高谷でした!